2008年07月

2008年07月26日

夏休みといえば・・・

娘の夏休みが始まった。
変わったなぁ〜と思った事が2つ。

1つは夏休みの学習ノートの呼び名。
私の時代だけでなく、私の両親の時代でも 
夏休みの宿題として出される学習ノートは 
『夏休みの友』 と呼ばれていた。

それが今では 『サマースキル』 と言う。
横文字だ。カッコよすぎる。
『スキルって何?』 私の母が尋ねたくらい新鮮な響きだ。


そしてもう1つは 町内の子が集まって一緒にするラジオ体操。
今は もうそんな事をしないらしい。
『ラジオ体操』 は夏の風物詩と思っていた私には驚きだった。



私の父は ラジオ体操支持派である。
『子供は早起きしてラジオ体操をするのが当たり前』 といった考えの人である。


そこで、町内でやらないなら我が家で・・・という事になった。
おかげで 私まで参加する羽目になってしまった。


自宅の裏は 一面 田んぼ。
その田んぼに向かって家族全員横一列に並び ラジオ体操初日が始まった。


ラジオ体操の歌が流れてきた。
父が歌い出した。
そんな父を見て、娘も歌い出した。

『えっ・・・歌うの?』 


一瞬戸惑ったが、娘が見てくるので 仕方なく一緒に歌った。
長年のブランクにも関わらず、意外に歌詞を覚えている自分にビックリだ。


歌も終わり、いよいよ体操である。
体操は完璧に覚えている自信があった。
『小さい頃に乗れた自転車は一生乗り方を忘れる事はない』 といったのと同じだ。


父は10年間ほど 一人でほぼ毎朝ラジオ体操を続けていた人である。
そんな父は体操が始まるや否や ずーっとしゃべりっぱなしとなった。

『ほらっ しっかり腕を伸ばして!』

『腕を上に上げた時には踵もしっかり上げる!』

『もっと後ろに胸を反らす!』

『踵はくっつけて指先は45°!』

『背筋を伸ばして!』

『回す腕が逆!』

『音楽に合ってない!』


父に注意されるたび、娘は私の方を チラッと見る。

『踵をしっかり上げる!』 と言われると
私をチラッと見て踵が上がっているかチェックする。

『腿をもっと高く上げる!』 と言われると私の方を チラッ


そんな娘の無言のプレッシャーのおかげで
今までにない真剣さでラジオ体操をやり遂げた。

腕を上げたり 下げたり
あっち向いたり こっち向いたり
音楽に遅れないよう キビキビ動いて 頭をガンガン振って
そんな動きに血が追いつかず、頭がクラクラ・・・



子供の頃は 若いというのもあっただろうが
ただ出席してカードに判を捺してもらえれば良いやってとこがあって
真剣にはやってなかったような気がする。


ラジオ体操が こんなにキツイものだったとは思いもしなかった。


でもやり終えた後は 体が軽くて動きやすい☆
この歳になって 初めてラジオ体操の効果を感じたように思った。


侮るべからず ラジオ体操。
その歴史が80年というのにも納得だ。


清々しい気分でいる私のところに娘が不安げな表情で寄って来た。
『お母さん。私、体操の第2の方がよく分からんのやけど教えてくれる?』


ラジオ体操の居残りレッスンの申し出かい・・・?


娘のラジオ体操に取り組むこの姿勢・この眼差し。

完全にラジオ体操愛好家の父のDNAを受け継いでいると感じた。








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2008年07月18日

遊園地

絶叫マシンが人気の長島スパーランド。
この前のお休みに10年ぶりに行ってきた。

身長制限があって絶叫系には乗れない娘には内緒。
彼女が学校へ行っている間にコソッと出かけてきた。


長島の駐車場に車を停めると目の前にズドーンと
『スチールドラゴン2000』 が聳え立っていた。
高いところだと97メートルもあるというから見上げた姿は圧巻。

真っ先に乗ってみたいアトラクションではあったが
さすがに10年のブランクは私を気弱にさせた。


そこで、まずは契機付けに 『スペースショット』 に乗ることに。
地上75mへ一気に急上昇、そして急降下を繰り返すアトラクションだ。

ガチャンとシートベルトがロックされた瞬間、急に不安に襲われた。
勢いでここまで来てしまったが、本当に大丈夫か?
上を見上げると めちゃめちゃ高い。あんな所まで打ち上げられてしまうのか・・・。
でも今更逃げ出す事も出来ないこの状況。 あ〜・・・落ちる時に 『お腹の魂』 が
フッと抜ける あの感じ・・・ 耐えられるだろうか・・・?


そんな事を思っているうちに 容赦なくカウントダウンが始まり 
3・2・1で グイ〜ンと ものすごい速さで急上昇。かと思ったら急降下。
思わず キャーッ と叫んでしまったが、遠くには海が見えて 気持ちいい!


面白〜い☆


調子付いたところで 早速 本日のメインイベント
『スチールドラゴン2000』 に向かった。

平日とあって人も少なく、ほとんど列に並ぶ事なく乗れた。
スッと乗れすぎて心の準備が整わないまま 係員の方に満面の笑みで見送られ出発。


『スチールドラゴン2000』 とは97m・77m・64mと3段階の高さの山が連続する
巨大ジェットコースターで、最初の山では落下角度68度で 地面すれすれまで
一気に降下するスリルが味わえる。最高速度153km/h。一周するのに3分以上はかかる
乗りごたえ抜群のアトラクションだ。


この日の気温は34℃。

ガタゴトガタゴトと最初の山をゆっくり上がって行く時は 角度が急なため
仰向けに寝るような状態となり、天然の日焼けサロンかと言うように 日差しを
顔全面に受けながらジリジリ進む。けれど最高位まで上り切り 下り始めた途端
ものすごい風を切って走り出し、これがホント涼しくて 超気持ち良かった。


最初から最後まで 目の前の手すりをしっかり握っていた私は
両手を放してバンザイしながら乗ると もっと気持ちいいと聞いたので
『これは試さねば!』 と即 列に並び直し、係員の方に手を振りながら出発。



凄い!こんな感覚は初めてだ!


グイーンッと下っていく時には完全にお尻が宙に浮いて地上にダイブしている感覚。
なんで手すりなんて握っていたんだろう・・・と後悔するくらいに格段に気持ち良さが違う。


病み付きになってしまった私は また並んだ。
今度は係員の方がおサルのぬいぐるみを取り出して、その手を振ってくれる中 出発。

ん〜 やっぱり最高!


そして また並んだ。


その日は本当に空いていたので 何度も何度も並んでは乗るを繰り返せたが、
多い日だと2時間待ちもあると言う。こんなに連続して乗れるなんて幸せじゃ〜♪
それに何度乗っても面白い。


落下するだけでなく 『ドラゴン』 と名がつくだけあって
龍が波を打つように空を泳ぐ感覚が お〜お〜っ と押し寄せる。


次に乗った時には 係員の方が拳を上に高く上げ
『頑張れー!』 とエールを送ってくれた。


この係員の方は この暑さの中、テンションが全く下がる事なく
毎回笑顔で乗客を楽しませてくれる。

一周走ってきてスピードが落ちる所では 乗客に向けて両手を大きく振ってくれる。
スタート地点に戻ってくる時には、次に待っているお客さんを煽って 一緒に
盛大な拍手で迎えてくれる。


彼はプロフェッショナルだ・・・と感動した。



この 『スチールドラゴン2000』 には まだまだ乗りたかったが
なんせ娘に内緒で来ている。なるべく早く帰らねば・・・。

他の絶叫マシンにも ほぼ乗ったし 十分満足だった。

それに この太陽の暑さに 若干 体力を奪われつつある。
帰るには いい頃かもしれない。




乗り物に乗ったフワフワした余韻を残しながら 家に着いた時
娘は宿題をしているところだった。



遊んで来たとも知らない娘が言った。
『今度の月曜日は休みが一緒やで どこかに行こ〜』


その日は子供は夏休みだし、私もお店が定休日だ。



長島で十分遊び 軽く疲労感のある私は答えた。
『そんな休みのたびにどこかに出かけやんでも良いやん。
たまには家でゆっくり過ごすのも・・・』


『たまにはって 全然どっこも行ってないやん!』


『あっ・・・・・・・・』


そうだった・・・。今日 遊んできたのは私だけだったんだ・・・。
長島のプールを見た時には 娘も連れて来てあげたいと思っていたはずが
今日一日 炎天下で炙られ続けた今の私が思うことは ただ一つ。

涼しいところでのんびりしたい・・・。


ただそれだけであった。

こんな母を許しておくれ・・・ ゜゜(´□`。)°゜。


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2008年07月10日

夜中の団欒

飲みに出かけた父が夜11時半過ぎに帰ってきた。

『遅くなりました〜♪』

上機嫌である。


私は酔った父が好きである。
いつもは堅物の怖い顔した扱いにくい父であるが
外で飲んできた日は饒舌で本当に気分が良さそう。

『喉渇いた〜。ちょっとビールでも飲もっかな』

しこたま飲んできたであろうに それでも まだ飲もうとする父に
『もう 水にしとき』 と言うと 『お前も飲むか?』 と誘ってきた。
『こんな時間から飲まへんよ!』 と断ると 
『何でだ〜 何で飲まんのだ〜』 と しつこく迫ってきた。 

それを無視していると 仕方なく自分の分だけグラスを持ってきて
嬉しそうにビールを注き始めた。

父の脈絡のない飲み屋さんでの話のおかげで 
すっかり寝に行くタイミングを逃してしまい
それから 延々付き合わされた。


話題も変わり、5月に おじいちゃんが亡くなって 今まで法事とかで
バタバタしてたため おばあちゃんも気が張ってただろうけど 
ちょっと落ち着いた今、急に寂しさが込み上げて来てる頃かもなぁ・・・
そんな話になった。


そこで 『どんどん旅行に誘ったれ』 と父が言った。 
それを聞いた おばあちゃんの娘である母は 首を振った。
 
『もう90歳を越えてる おばあちゃんにとっては
どこかに行くってのも しんどいらしいわ。
それよりも誰かが家に来てくれて しゃべっている方が楽しいって』

すると父は 
『そりゃアカン。みんなで外に連れ出したらな。
(母を指差して) お前が幹事になれ!
明日にでも みんなに電話して決めて来い! 
旅行に連れてったら おばあさんも喜ぶぞ〜』

それに対して 母は 
『一度九州に誘った時も 『遠いでええわ。家におる方が 好きな時に昼寝が
出来るで気楽でいい』 って言ってたし・・・』

すると父は 
『それでもな 一度行ってみれば旅行はハマる。
絶対 おばあさんは 家にいるより旅行に行った方がいいって!』

『でも本人が 『行かん』 って言ってるんやでさぁ』

『ん〜にゃ! おばあさんは行くべきや』


そんな何を言うても 譲らない父に私が言った。


『そういうお父さんこそ 旅行とか全然行かへんけど 行って来たらいいやん』

『そんなもん お母さんが 『この温泉はどうのこうの・・・』 って
いちいちグチュグチュ言うから 決まらんのやないか』

『誰もお母さんと行きななんて言うてないやん』

『じゃあ 一人でか?』

『それも寂しいで 愛人さんとでも行ったら?』

『今から作るのか?』

『いろんな所に顔出してれば見つかるわさ』

『そんなもん 俺がどこ行こうか考えて、時間とか決めて 予約とかまで
俺がせなアカンのやろ。そんなもん 面倒臭いわ』

『そんなん全部やってくれる人を探せばいいやん』

『そんな人 おるやろか?』

『そりゃ おるさ。旅行の段取りとか考えるの好きっていう子はたくさんおるよ』

『お前も そうか?』

『私は段取りしてもらったところに 着いていく方が良いけどな』

『お前〜 それじゃあ 愛人になれへんぞ。そこは変えていかんと・・・』

『娘を愛人体質に変えようと勧める父親がどこにおんの!』

そんなアホな話題をしてたら 夜中の1時を すっかり回っていた。


『今 寝ても 俺は5時前には目が覚めるからな』 と父が自信満々に言った。

『そう言うても いつも私より起きてくるの遅いやん』 と私。

『いつもお前がゴソゴソしてるのは ちゃ〜んと気付いとる』

『じゃあ 起きてこればいいやん』

『起きれるよ。起きれるけど ただ そこを6時になるまでジーッとしてるんや。
それで もう限界って頃に起きるんさ』

『無理して寝てることないやん。起きといで』

『いやいや 目は覚めとんのや。それを我慢して我慢して布団の中でおるわけや。
布団にジーッとしてるのも 結構しんどいんやぞ』

『いやいや だから〜』


もう酔っ払い相手に これ以上の話し合いは無理である。
でも このダラダラした時間が意外に好きである。



今朝 父がいつもの時間に起きてきた。

昨日とは別人かと思うほどの クールっぷりである。

『二日酔いになってない?』 と聞くと
『そんな酔うほど飲んでない!』 クッと眉間にシワを寄せて答える父。

『またまた〜 昨日ベロベロでしたやん☆』 などと
背中を突っつけるような 気安さは微塵もなく 普段の乱れのない父であった。

『さよでしたかぁ・・・』 と小声で答えるしかない。


一度酔っ払って帰ってきた陽気な父をビデオに収めて
翌日ドーンと大スクリーンで その姿を見せてやりたいと思う私であった。




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2008年07月01日

テスト

娘はスイミングを習っている。

そこでは月に1回、昇級テストがあり
そのテストに合格したらアイスクリームを
買うというのが娘との約束となってしまっている。

娘はそれが楽しみで仕方がない。
プールには おばあちゃんが連れて行ってくれる。

『おばあちゃん お金持った?』

テストの日には 合格する自信がなくても
おばあちゃんの所持金が しきりに気になる。
一度 合格したのに おばあちゃんが財布を忘れたという
苦い思い出があるためだ。

自分の水着より おばあちゃんの財布。
テストの緊張より お金の心配である。


先月末のテストの際、泳ぎ終わった娘にコーチが
『もうちょっと速かったら合格やったんやけどな』 と言った。

娘はプールサイドから腕をクロスさせて大きくバツを作り
ガラス越しで見ていた おばあちゃんに不合格を知らせた。
おばあちゃんも納得の不合格。
イマイチ パッとしない泳ぎであったらしい。


着替え終わった娘の元に友達が 『おめでと〜』 と飛んできてくれた。
合格者のカードにはワッペンが添付され 廊下のテーブルの上に並べられる。
そこに娘の分があったと言うのだ。

娘はその子の言葉が信じられなかった。
そこで その子に手を引かれ カードが置かれている場所へと行ってみた。

すると 『合格』 となっていた。


娘は一瞬 『おやっ?』 と思ったものの すぐさまアイスが脳裏を横切った。


『おばあちゃ〜ん アイス買って〜☆』


おばあちゃんも 『ウソやろ』 と思いながらも 『ギリギリ良かったのかな』 と
思い直し、アイスを買ってあげた。


家に帰ってきて合格した事をおじいちゃんに報告する娘。
でもその横で おばあちゃんが胸の内にあるモヤモヤを話し出した。



今回のテスト記録がつけられているカードをマジマジと見る父。
そこで記入ミスを発見!

そこでスイミングの方に問い合わせてみると、やはり間違えだったらしく
合格が取り消されてしまった。


その夜、その話を聞いた私は 娘に
『合格してないって知ってて 何でアイスを食べたん?』 と聞いた。


質問の第一声が 『それかよっ!』 と言われちゃいそうですが・・・



娘は答えた。 『だってワッペンがついてたで合格したかと思ったんやもん』

私 『でも自分でも今回の合格は おかしいなって思ったんやろ?』

娘 『・・・うん』

私 『そしたらアイスは我慢しやな アカンだよな?』

娘 『・・・うん』

私 『おかしいなって思いながらアイス食べても美味しくないやろ?』

娘 『ううん。 美味しかった♪』 

私 『・・・・・。 次のテストでは合格してもアイスはないよ』

娘 『え〜っ!』

私 『当ったり前やないの! 今日食べたんやから。ほらっ もう遅いで寝るよ』


結局 私も 『泳ぎはどうやった?』 とか 『何でタイムが遅かったん?』 とか
そんな質問は一切なく 『なぜアイスを食べたのか』 で終始してしまった。


寝に行こうと立ち上がった娘に 謝ってくれたコーチに何て言ったのか聞いてみた。


『おかげで家族のお金が減りましたって言っといた』


『エーッ!!』


そんな事を言ったのかい・・・ 

あんぐりしている私をよそに 『おやすみなさ〜い』 と 
あっさり寝に行く娘の肩を掴もうと伸ばした手が むなしく届かなかった。



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